1 特定調停とは

特定調停とは、支払不能に陥るおそれのある債務者を救済するために作られた制度です。

※「支払不能」状態であるか、「支払不能に陥るおそれのある」状態であるかの線引きは時として微妙であり、債務者の返済の意思などにも左右されますが、調停を選択すべきか否かの大体の判定基準は、下の「2 特定調停の選択基準」のとおりです。

調停とは、裁判所の仲立ちによって、当事者双方から譲歩を引き出して問題を解決するという方法であり、特定調停の場合、債権者・債務者双方の妥協点を探り、返済方法を決めるということになります。

特定調停は相手方(債権者)の住所地や事務所所在地を管轄する簡易裁判所に申立てをして行い、調停の日には、裁判所と債務者、裁判所と債権者というふうに交互に話し合い、その結果合意に至れば調停調書を作成します。

2 特定調停の選択基準

大体次のような基準・条件を満たしていれば、特定調停選択の効果があると考えられます。

  • 借り入れをしてからの期間が比較的長い
  • 負債総額が多くない(200万円~300万円がひとつの基準です)
  • 債権者数があまり多くない(5~10社がひとつの基準です)
  • 比較的安定した収入があり、仕事も安定している
  • ある程度まとまった返済金が用意できる
  • 不動産を所有している(特定調停ならば、不動産を手放さずにすむ場合があります)
  • 免責不許可事由が多い
  • 弁済したいという明確な意思をもっている

その他自営業者で事業をやめずに債務を整理したいという場合は、特定調停の検討の余地があります。

3 特定調停のメリット・デメリット

メリットとして例えば次のようなことが挙げられます。

  • 特定調停の申立ては、相手方の本店所在地を管轄する簡易裁判所にしなければならないが、複数の債権者の管轄裁判所が異なっていても、ひとつの簡易裁判所で行えることが多い
  • 手続が比較的簡単で、裁判所に払う費用も比較的低廉
  • 確定した判決と同じ効果が得られる
  • 利息の引き直し計算によって借金の額が減る、ときにはゼロになることもある
  • 調停で決まった債務の額に対して利息をつけず、3年~5年の分割で払えばよいことが多い
  • 調停に必要な資料の提出を相手方に強制することができる

デメリットとしては、例えば次のようなことが挙げられます。

  • 債権者ごとに申立書を作成しなければならない
  • 債権者が譲歩せず、調停が成立しないことがある
  • 調停調書は確定判決と同じ効力をもつので、調停成立後、支払が遅れると強制執行されることがある

4 その他

特定調停について、ご質問・ご相談等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。